この記事でわかること
- NotebookLMをプロジェクト単位で使う方法がわかる
- 年度末レポートの下書きを作る流れがわかる
- 長期保存で気をつける点がわかる
年度末や四半期末には、プロジェクトの進捗や成果を振り返り、報告書やレポートにまとめる場面があります。
そのときに困るのが、会議の記録や資料があちこちに分かれていることです。議事録、会議の録画、提案書、見積書、メモなどを一つずつ確認しながら、「この期間に何が進み、どんな課題が残ったのか」を整理するには、意外と時間がかかります。
この負担は、NotebookLMの使い方を少し変えるだけで軽くできます。
ポイントは、NotebookLMを会議1回ごとの議事録ツールとして使うのではなく、プロジェクト全体の記録置き場として使うことです。
1年分の記録が入ったノートブックがあれば、年度末や四半期末のレポート作成を、下書き段階までAIに手伝ってもらいやすくなります。
会議1回ごとの活用については、会議の録画・議事録をNotebookLMに溜めると何が変わるかで扱っています。今回はその発展形として、プロジェクト単位で記録を長期的に蓄積する使い方に絞って解説します。
議事録を毎回作っても、横断的には見えない
議事録は、「その日の記録」としては役立ちます。
決まったこと、宿題、次回までのタスクを残すには十分です。ただし、半年後や1年後にプロジェクト全体を振り返ろうとすると、議事録だけでは流れを追いにくくなることがあります。
その日の会話の背景、判断に至るまでの空気感、関係者の迷い、後から効いてきた小さな論点といったものは、1回分の議事録だけを読んでも見えにくくなります。
書いた本人でさえ、半年経つと「これは何の話だっただろう」と思うことがあります。
人間の記憶だけで、1年分の経緯を細かく追うのは簡単ではありません。会議の記録を残すことと、それを束ねて読み解くことは別の作業です。
年度末に毎年苦労するのは、記録がないからではなく、記録がプロジェクト全体として整理されていないからです。
プロジェクトごとにノートブックを1つ作る
最初の一歩は、ノートブックの作り方を変えることです。
「2026年4月_営業定例」のように会議単位で作るのではなく、「新工場立ち上げプロジェクト」「Aクライアント案件」「採用強化2026」のように、あとから振り返りたい単位でノートブックを1つ作ります。
そこに、Google MeetやZoomで記録した録画・録音ファイル、議事録のテキストメモ、関連する提案書や見積書などをまとめて入れていきます。
基準は、「あとで振り返るときに、どのまとまりで見たいか」です。
会議単位で見たいのか。案件単位で見たいのか。年度末にプロジェクト全体を振り返りたいのか。この単位を先に決めておくと、ノートブックの作り方で迷いにくくなります。
蓄積のタイミングは、日常業務の流れに組み込んでおくと続けやすくなります。
たとえば、定例会の直後に録画と議事録を入れる、月末に関連資料をまとめて追加する、週次報告のあとにその週のメモを入れる、といった具合です。既存の作業とセットにしておくと、自然に記録が溜まりやすくなります。
最初から完璧を目指す必要はありません。「とりあえず録画だけは入れておく」「議事録だけは入れておく」でも、半年後や1年後の自分を助ける材料になります。
なお、無料版では1つのノートブックに登録できるソース数に上限があります。有料プランでは、その上限が増えます。具体的な上限や条件は変わることがあるため、使い始める前に現在の公式情報を確認しておくと安心です。
NotebookLMそのものの基本については、いまさら聞けない「NotebookLM」とは?もあわせて読んでみてください。
節目になったら、AIにレポートの下書きを書かせる
年度末や四半期末といった節目になったら、蓄積したノートブックを開き、目的に合わせて指示を出します。
たとえば、次のような指示文が使えます。
「このプロジェクトで今期起きた主な意思決定を、時系列で整理してください」
「今期に発生した課題と、その後の対応・解決状況を表にまとめてください」
「来期に向けて、過去の会議で繰り返し出ていた懸念や論点を抽出してください」
NotebookLMの強みは、ノートブックに入れた資料をもとに回答できることです。会議録や資料を根拠にして要約できるため、何もない状態からAIに聞くよりも、プロジェクトの経緯に沿った下書きを作りやすくなります。
また、回答の根拠になった箇所を確認しやすい点も特徴です。出てきた内容が、どの議事録や資料に基づいているのかを確認できるため、レポートの見直しもしやすくなります。
ただし、出てきたものはあくまで下書きです。
経緯の細かなニュアンス、相手への配慮、社外向けと社内向けの表現の違いは、最後に人が調整する必要があります。
下書きを作るのはAI、最終的な仕上げは人間です。この役割分担を最初から決めておくと、レポート作成にかける時間を大きく減らしやすくなります。
機密情報の扱いには気をつける
長期的に記録を蓄積するときは、情報の扱いに注意が必要です。
特に大切なのは、どの情報をNotebookLMに入れてよいかを最初に決めておくことです。
業務に関わる資料を扱う場合は、個人のGmailアカウントではなく、会社で契約しているGoogle Workspaceアカウントを使うのが基本です。ノートブックの共有範囲も、必要なメンバーだけに絞っておくと安心です。
役員人事、M&A、顧客の個人情報、未公開の経営数字など、特に慎重に扱うべき内容を含むプロジェクトでは、生の議事録をそのまま入れてよいか、一度立ち止まって確認しましょう。
必要に応じて、要約だけを入れる、個人名を伏せる、顧客名を記号に置き換えるといった工夫を加えます。社外秘の数字は、入れる前に削除しておくと安心です。
こうした一手間をかけるだけでも、リスクを下げやすくなります。
NotebookLMは便利ですが、長期的に記録を溜めるほど、最初の設計が大切になります。どのプロジェクトを対象にするか、誰が見られるようにするか、どの情報は入れないか。この3点は、最初に決めておきましょう。
まとめ
NotebookLMをプロジェクト単位で使うと、人間の記憶だけでは追いきれない長い期間の記録を、AIで振り返りやすくなります。
年度末や四半期末に毎回苦労していた振り返り作業も、資料がノートブックに蓄積されていれば、下書き作成まで進めやすくなります。
まずは1つだけ、振り返りが大変だったプロジェクトを選んでみてください。
そのプロジェクト用のノートブックを作り、手元にある録画や議事録を入れるところからで十分です。半年、1年と続けることで、節目のレポート作成がかなり楽になります。
Q&A
Q1. 過去1年分の議事録がフォルダにバラバラに残っています。今からまとめて入れても使えますか?
使えます。今から始めても遅くありません。
手元にある録画、議事録、関連資料を、プロジェクト単位で1つのノートブックに入れていきましょう。順番がそろっていなくても、ファイル名に日付を入れておけば、あとから時系列で整理しやすくなります。
最初の取り込みには少し時間がかかりますが、一度まとまれば、次回以降の振り返りが楽になります。年度末の作業を毎年繰り返しているなら、早めにまとめておく価値があります。
Q2. 自分が参加していない会議の録画も入れていいですか?
入れること自体は可能ですが、事前に確認が必要です。
社内で開かれた関連プロジェクトの録画や、後から共有された会議録があれば、同じノートブックに入れておくことで、プロジェクト全体を振り返りやすくなります。
ただし、その録画を利用してよいか、共有範囲に問題がないか、機密情報が含まれていないかは、入れる前に確認してください。NotebookLMに入れる前提で録画や議事録を扱う場合は、社内でルールを決めておくと安心です。