この記事でわかること
- Typelessでできること
- 音声入力との違い
- 料金と無料で使える範囲
仕事には、文字を打つよりも話した方が速い作業が数多くあります。メールの返信、打ち合わせ後のメモ、文書の下書きなどは、頭の中にある内容をそのまま話せれば、入力の負担を大きく減らせます。
一方で、これまでの音声入力には使いにくさもありました。「えーと」「あのー」といったつなぎ言葉や、途中で言い直した内容まで文章に残ってしまい、結局あとから直す手間がかかることがあったからです。その経験から、音声入力を仕事では使わなくなった方もいるでしょう。
Typelessは、この手直しの部分をAIが処理する音声入力ツールです。この記事では、Typelessが一般的な音声入力と何が違うのか、どのような作業に向いているのか、無料でどこまで使えるのかを順に見ていきます。
Typelessとは何か
Typelessは、話した言葉を文字に起こすだけでなく、文章として読みやすい形に整えるAI音声入力ツールです。
たとえば、話している途中に入った「えーと」「あのー」といった言葉を取り除いたり、言い直した部分を整理したりできます。単に音声を文字へ変換するのではなく、仕事でそのまま使いやすい文章に近づけるところに特徴があります。
開発したのは米国の企業です。メール、チャット、文書作成など、文字を入力する作業全般で使えるように設計されています。専用の画面に文章を入力してからコピーする必要はありません。入力したい場所でショートカットキーを押して話すと、整えられた文章がその場に入力されます。
一般的な音声入力と何が違うのか
一般的な音声入力の役割は、話した音声をできるだけ正確に文字へ変換することです。そのため、話している途中の迷い、言い直し、不要な繰り返しも、そのまま文章に残りやすくなります。
たとえば、次のように話したとします。
「えーと、明日の会議ですが、いや、来週の会議ですね。来週の会議は十時からでお願いします」
通常の音声入力では、このような言い直しが文章に残る場合があります。読みやすい文章にするには、自分で不要な部分を削り、表現を整えなければなりません。
Typelessは、音声を文字にしたあとに、AIが文章を整えます。主な処理は次のとおりです。
- つなぎ言葉を取り除く
- 言い直した内容を整理し、最終的に伝えたい内容を残す
- 同じ言葉の不要な繰り返しを削る
- 手順や箇条書きとして話した内容を、読みやすい構成にまとめる
- メールでは丁寧に、チャットでは短くするなど、入力先に合わせて文体を調整する
つまり、これまで自分で読み返して直していた作業を、AIが先に処理します。話し終えた時点で、下書きとして使える文章になっています。この点が、一般的な音声入力との大きな違いです。
どの作業で使いやすいのか
Typelessは、キーボードで長い文章を打つのが負担になりやすい作業で使いやすいツールです。
たとえば、メールの返信では、伝えたい内容を声に出すだけで、丁寧な文面の下書きを作れます。打ち合わせのあとに要点を口頭で残せば、報告文や議事メモに近い形まで整えられます。文書の草稿も、考えながら話すことで、最初のたたき台を速く作れます。
Typelessには、入力以外にも二つの機能があります。
一つ目は、音声による編集です。すでに書いた文章を選び、声で修正内容を伝えると、選んだ部分を書き換えられます。
この文を、もう少し丁寧な言い方に直してください。
このように伝えると、選択した文章が指示に沿って修正されます。
二つ目は、翻訳です。話した内容をその場で別の言語に変換できます。海外の取引先へ送るメールの下書きや、外国語での短いメッセージ作成に使えます。
ただし、注意も必要です。AIが整えるのは、あくまで文章の形です。話した内容そのものが正しいかどうかまでは保証されません。金額、日付、社名、人名、商品名などは、聞き取りや変換を誤る可能性があります。
きれいに整った文章ほど、正しい内容に見えやすくなります。送信や提出の前には、必ず自分で読み返してください。Typelessが受け持つのは下書きを速く作るところまでで、最後に内容を確認するのは人の役割です。
対応環境と料金はどうなっているか
Typelessは、パソコンではmacOSとWindows、スマートフォンではiPhoneとAndroidに対応しています。スマートフォンでは文字入力用のキーボードとして動くため、普段使っているメールアプリやチャットアプリの中で利用できます。
音声の処理はインターネット上で行われるため、利用にはネット接続が必要です。
料金は、無料で使える枠があり、使用量が増えた場合に有料プランを選ぶ仕組みです。2026年6月時点では、次のようになっています。
| プラン | 料金 | 使える量 |
|---|---|---|
| Free | 0円 | 週に8,000語まで |
| Pro | 年払いで月額12ドル、月払いは30ドル | 語数無制限 |
新しく登録すると、最初の三十日間はProプランを試せます。期間が終わると、特別な手続きをしない限り無料プランに切り替わり、料金は請求されません。
まずは無料の範囲で、メール返信やメモ作成など一つの作業に使ってみてください。そのうえで、週に使える語数が足りなくなったら有料プランを検討するとよいでしょう。
まとめ
音声入力は、話した内容を文字にするだけのものから、話した内容を仕事で使いやすい文章に整えるものへ変わりつつあります。Typelessは、その流れをわかりやすく示すツールです。
もちろん、すべての文章作成をいきなり音声入力に置き換える必要はありません。最初は、入力に時間がかかっている作業を一つだけ選ぶのが現実的です。
メールの返信、打ち合わせ後のメモ、社内チャットへの共有文など、毎日の中で何度も発生している作業から試してみてください。無料の範囲で一週間ほど使えば、自分の仕事に合うかどうかを判断しやすくなります。
Q&A
Q. 日本語でもきちんと整えられますか?
Typelessは百以上の言語に対応しており、日本語の入力と整形にも対応しています。ただし、仕上がりは話し方にも左右されます。早口で話したり、声が小さかったりすると、聞き取りの誤りが増えやすくなります。
落ち着いた速さで、文の区切りを意識して話すと、結果が安定しやすくなります。社名や専門用語など、聞き取られにくい言葉は登録しておくと変換されやすくなります。
Q. 話した内容が外部に残ることはありませんか?
Typelessは、音声を学習に使わず、入力履歴は端末内に保存されると説明しています。一方で、音声を文字に変換する処理はインターネット上のサーバーで行われます。
完全に手元だけで完結する仕組みではありません。そのため、取引先の機密情報、個人情報、社外に出せない資料の内容を話してよいかどうかは、社内ルールに沿って判断する必要があります。
Q. パソコンを使わず、スマートフォンだけでも使えますか?
使えます。iPhoneとAndroidのどちらにもアプリがあり、文字入力用のキーボードとして利用できます。
移動中や外出先など、パソコンを開けないときでも、メールやメッセージの下書きを声で作れます。外回りが多い仕事や、移動中に短い返信を済ませたい場合にも使いやすい方法です。