この記事でわかること
- CMSの基本的な役割がわかる
- 従来型CMSとヘッドレスCMSの違いがわかる
- 生成AI時代のCMS選びがわかる
Webサイトは、公開して終わりではありません。会社からのお知らせを出す。サービス内容を直す。導入事例を追加する。採用ページの文章を更新する。事業が動けば、Webサイトに載せる情報も少しずつ変わっていきます。
そのとき、社内の担当者が自分で更新できるサイトもあれば、文章を一行直すだけでも制作会社やエンジニアに依頼しなければならないサイトもあります。この違いに関わっているのがCMSです。
CMSは、Webサイトに掲載する文章や画像を登録し、管理し、必要なページに反映するためのシステムです。WordPressのように、記事を書いてそのまま公開できるものもあれば、文章や画像などの情報だけを管理し、表示部分は別に作るヘッドレスCMSもあります。
生成AIで記事の下書きや商品説明を作る機会が増えると、CMSの役割はさらに重要になります。AIが作った文章を、そのたびに人がコピーして貼り付けるのか。それとも、タイトル、本文、カテゴリ、公開日などを整理して管理し、必要なページに反映できるようにするのか。ここには、日々の運用を左右する大きな違いがあります。
この記事では、CMSの基本と、従来型CMS・ヘッドレスCMSの違いを整理しながら、生成AIと組み合わせるときに考えておきたいポイントを解説します。
CMSとは、Webサイトの情報を管理するためのシステム
CMSは、Contents Management Systemの略です。日本語では、コンテンツ管理システムと呼ばれます。
ここでいうコンテンツとは、Webサイトに掲載する文章、画像、記事、商品情報、会社情報などのことです。CMSは、それらを管理画面から登録し、更新し、Webサイトに反映するために使われます。
CMSがないサイトでは、文章を少し直すだけでもHTMLファイルを直接編集する必要があります。専門知識がある人なら対応できますが、広報担当者や営業担当者が日常的に更新するには負担が大きくなります。更新のたびに外部へ依頼していれば、時間も費用もかかります。
CMSがあれば、管理画面から文章を入力し、画像を選び、保存して公開できます。お知らせや記事を社内で更新できるようになれば、Webサイトは名刺代わりのページではなく、会社の情報発信の場として使いやすくなります。
CMSは、単なる「更新画面」ではありません。会社がWebサイトの情報を自分たちで管理し、必要なタイミングで発信するための土台です。
従来型CMSは、更新しやすさに強みがある
CMSの代表的な例がWordPressです。企業サイト、ブログ、採用サイト、オウンドメディアなど、幅広い用途で使われています。
WordPressが広まった大きな理由は、専門知識がなくてもページを更新しやすいことにあります。管理画面から記事を書き、画像を登録し、公開ボタンを押せば、Webサイトに反映されます。あらかじめ用意されたデザインに沿ってページが作られるため、文章を書く人がHTMLやCSSを直接触る必要はありません。
このような従来型CMSでは、文章や画像を管理する部分と、ページとして表示する部分が同じシステムの中にあります。記事を書けば、決められたデザインで表示される。固定ページを作れば、サイトの一部として公開される。情報の管理と見た目の反映が一つにまとまっているため、導入しやすく、日々の更新も続けやすいのです。
自社サイトのお知らせやブログを更新する程度であれば、従来型CMSで十分な会社も多いでしょう。
ヘッドレスCMSは従来型と何が違うのか
ヘッドレスCMSは、従来型CMSとは考え方が異なります。
従来型CMSでは、文章や画像を管理する場所と、それをページとして表示する仕組みが一体になっています。一方、ヘッドレスCMSでは、文章、画像、商品情報、記事情報などをCMS側で管理し、それをどのように表示するかは別の仕組みで作ります。
つまり、CMSは情報を管理する場所に徹し、Webサイト側はその情報を受け取って表示する、という分担になります。
この違いは、優劣の話ではありません。自社サイトだけを更新するなら、従来型CMSの方が扱いやすいこともあります。一方で、同じ記事や商品情報をWebサイト、アプリ、メールマガジン、別ブランドのページなどに使いたい場合は、ヘッドレスCMSの方が管理しやすくなります。
情報を一か所で管理し、届け先に合わせて表示を変える。ヘッドレスCMSは、そのような運用に向いた考え方です。
生成AIと組み合わせるなら、文章の管理まで考える
生成AIを使えば、記事の下書き、商品説明、FAQ、メール文面などを短時間で作れるようになります。
ただし、AIが文章を作れることと、その文章を会社の発信に使えることは別です。公開前に誰が確認するのか。タイトル、本文、カテゴリ、関連リンクをどのように整理するのか。修正した文章をどこに保存するのか。ここが決まっていなければ、結局は人が文章をコピーして貼り付ける作業に戻ってしまいます。
ヘッドレスCMSでは、記事タイトル、本文、公開日、著者、カテゴリ、関連ページなどを項目ごとに管理できます。そのため、生成AIで作った文章を確認し、必要な項目に分けて登録し、Webサイトや別の媒体へ反映しやすくなります。
大切なのは、「ヘッドレスCMSだから新しい」ということではありません。生成AIで作った文章を、会社の情報としてどう扱うかです。AIが文章を作っても、その文章を確認し、整理し、必要な場所に届ける流れがなければ、発信の作業は思ったほど軽くなりません。
CMSは、更新したい情報の使い方で選ぶ
CMSを選ぶときは、会社の規模だけで判断しない方がよいです。見るべきなのは、Webサイトの情報をどこまで自社で更新したいのか。そして、その情報をどこで使いたいのかです。
自社サイトのお知らせ、ブログ、固定ページを社内で更新できれば十分なら、WordPressなどの従来型CMSは今でも扱いやすい選択肢です。管理画面がわかりやすく、制作会社に相談できる機会も多いため、日々の更新を続けやすいという利点があります。
一方で、記事、商品情報、FAQ、採用情報などを増やし、同じ情報を複数のページや媒体で使いたい場合は、ヘッドレスCMSも検討する価値があります。生成AIで作った下書きを社内で確認し、必要な項目に分けて登録し、Webサイトや別の媒体に反映する流れを作りやすくなるためです。
「小さな会社だから従来型」「新しい会社だからヘッドレス」と決める必要はありません。まずは、自社がどの情報を更新し、その情報をどこに届けたいのかを整理する。そのうえでCMSを選ぶ方が、あとから無理のない形で発信を続けられます。
まとめ
CMSは、Webサイトの文章や画像を管理し、必要なページに反映するためのシステムです。従来型CMSは、情報の管理と表示を一つのシステムで扱うため、社内で更新しやすいという強みがあります。
一方、ヘッドレスCMSは、情報の管理と表示を分けます。導入には設計が必要ですが、同じ情報を複数の媒体で使いたい場合や、生成AIで作った文章を整理して管理したい場合には、選択肢になります。
まずは、自社サイトで誰が、どのページを、どの管理画面から更新しているのかを確認してみてください。次に、その情報を今後どこで使いたいのかを考えます。自社サイトだけで十分なのか。メルマガや別サイトにも使いたいのか。そこまで見えると、今のCMSで足りるのか、次の作り替えで別の構成を考えるべきなのかが判断しやすくなります。
Q&A
Q1. 無料のブログサービスも、CMSの一種ですか?
近い性質を持っています。管理画面に文章を入れて公開する体験はCMSとよく似ています。大きく違うのは、中身を置く土台を自社で持つかどうかです。無料サービスは土台を提供元に借りているため、サービスが終われば掲載した情報ごと影響を受けます。自社でCMSを用意する場合は、情報を自分たちの管理下に置けます。長く発信を続けるなら、この違いは見ておく価値があります。
Q2. ヘッドレスCMSにすると、更新作業が難しくなりませんか?
文章を書く作業そのものは、従来型と大きく変わりません。管理画面に文章や画像を入れて保存する流れは同じです。違いが出るのは、見た目を表示する側の作り込みで、ここには技術的な準備が必要になります。日々の更新を担う人の手間が増えるわけではなく、最初の構築に専門の手が要る、という整理になります。