この記事でわかること
- ChatGPTのパーソナライズ画面にある3つのエリアの役割
- 設定する前と後で、ChatGPTへの指示文がどう変わるか
- Projects機能との違いと、会社で使うときの揃え方
毎回入力している前提をCustom Instructionsに一度書いておくと、ChatGPTへの指示文を本題だけに短縮できます。
「敬語で答えてください」「専門用語は避けてください」「結論を先に書いてください」。
ChatGPTを使うたびに、こうした前提を毎回入力している方は少なくありません。ほぼ同じ内容を書いているだけなのに、本題に入る前に少し手間がかかる。小さなことに見えますが、毎日使う場合は意外と負担になります。
ChatGPTには、こうした前提をあらかじめ保存しておける場所があります。それが「Custom Instructions(カスタム指示)」です。ChatGPTの基本から知りたい方は、ChatGPTとは?完全ガイドもあわせてご覧ください。
ChatGPTのパーソナライズは3つのエリアに分かれている
Custom Instructionsは、ChatGPTの設定画面にある「パーソナライズ」から開けます。無料プランを含む各プランで利用できます。
画面には、主に次の3つのエリアがあります。
- 自由記述の「カスタム指示」欄
- プロフィール型の「あなたについて」
- 選択式の「特性」
「カスタム指示」は、自分の言葉で自由に書く場所です。「あなたについて」は、ニックネームや職業などを項目ごとに入力する場所です。「特性」は、会話のトーンや絵文字の使い方などを選択式で調整する場所です。
Claudeのプロフィール設定が1つの欄にまとめて書く形なのに対し、ChatGPTは項目が細かく分かれています。そのため、最初は少し複雑に見えるかもしれません。ただし、それぞれの役割を押さえておけば、どこに何を書けばよいかは見えてきます。
それぞれのエリアに何を書くか
「カスタム指示」欄に書くこと
「カスタム指示」は、ChatGPTにどう答えてほしいかを書く場所です。
たとえば、次のような内容が向いています。
- 文体は「です・ます調」にする
- 結論を先に書く
- 専門用語はできるだけ避ける
- 専門用語を使う場合は、短く補足する
- 煽る表現や上から目線の言い回しは避ける
- 長すぎる前置きは入れない
書き方の例は、次のような形です。
「です・ます調で、結論を先に書いてください。専門用語を使う場合は、括弧で短く補足してください。煽る表現や上から目線の言い回しは避けてください。」
毎回ChatGPTに伝えている「答え方の好み」は、この欄に移しておくと便利です。
「あなたについて」に書くこと
「あなたについて」は、自分の立場やよく扱う仕事を入力する場所です。
主な項目は次のような内容です。
- ニックネーム:ChatGPTにどう呼んでほしいか
- 職業:自分の役割や、よく扱う仕事の内容
- あなたについての詳細:拠点、関心のあるテーマ、よく作る文書など
たとえば、職業欄に「東北で食品加工会社の総務を担当」と書き、詳細欄に「社外向けの案内文や社内文書を書くことが多いです」と入れるイメージです。
ここには、住所や顧客名などの細かい情報まで書く必要はありません。ChatGPTが回答の前提として知っておくと便利な範囲にとどめるのが安心です。
「特性」で選ぶこと
「特性」は、会話の雰囲気を選択式で調整する場所です。
基本のスタイルとトーン、温かみ、熱量、見出しとリスト、絵文字などを選べます。業務で使う場合は、最初から細かく変えすぎず、まずは標準のまま使ってみるのがおすすめです。
「少しカジュアルすぎる」「絵文字を減らしたい」「見出しや箇条書きを多めにしたい」など、気になる部分が出てきたら、必要なところだけ調整すると使いやすくなります。
設定するとどう変わるか
Custom Instructionsを設定すると、毎回の指示文を短くできます。
たとえば、設定していない場合は、次のように長く書くことになります。
私は東北で食品加工会社の総務を担当しています。取引先向けの案内文を書きたいので、丁寧で固すぎない文体で、結論を先に書く形でお願いします。専門用語は避けてください。来月の納期変更について、案内文を作ってください。
一方、パーソナライズ設定に前提を入れておけば、次のように本題だけで済みます。
来月の納期変更について、取引先向けの案内文を作ってください。
文体、立場、専門用語の扱いなどを毎回書かなくてよくなるため、入力が短くなります。1回ごとの差は小さくても、日常的に使う人ほど効果を感じやすい設定です。
ChatGPTのProjects機能との違い
ChatGPTには、業務やテーマごとに会話、ファイル、指示をまとめておけるProjects(プロジェクト)機能もあります。Custom InstructionsとProjectsは似ているように見えますが、役割が違います。
| 項目 | Custom Instructions | Projects |
|---|---|---|
| 適用範囲 | すべての会話 | そのプロジェクト内の会話 |
| 書く内容 | 自分の情報、答え方の好み | 特定業務の前提、参考資料、作業ルール |
| 向いている使い方 | ChatGPT全体の土台を整える | 業務ごとの作業部屋を作る |
Custom Instructionsは、ChatGPT全体に効く基本設定です。一方、Projectsは「この案件ではこの前提で進める」「この資料を参考にする」といった、業務ごとの情報をまとめる場所です。
両者はどちらか一方を選ぶものではありません。普段の答え方や自分の立場はCustom Instructionsに入れ、案件ごとの細かいルールや資料はProjectsに入れる。そう分けると使いやすくなります。
OpenAIの公式説明では、プロジェクト内の指示はそのプロジェクト内で有効になり、全体に設定したCustom Instructionsより優先されるとされています。
Claudeにも、プロフィール設定とプロジェクト機能のような近い考え方があります。詳しくはClaudeのプロフィール設定とは?プロジェクト機能との違いと使い分けで扱っています。
会社全体で使う場合はテンプレートを用意する
社員が複数人でChatGPTを使う場合、Custom Instructionsは基本的に個人アカウントごとの設定になります。そのため、一人ひとりが自分のアカウントで設定する必要があります。
ただし、文体やお客様の呼び方など、会社として揃えたいルールがある場合は、共通テンプレートを用意しておくと便利です。
たとえば、次のような内容をまとめておきます。
- 会社として避けたい言葉
- お客様の呼び方の基準
- 文書の基本的な文体
- 結論を先に書くか、背景から説明するか
- 社外向け文書で注意する表現
新しくChatGPTを使い始める社員は、このテンプレートを自分の設定にコピーするだけで、会社のトーンに近い形で使い始められます。毎回一から考えなくてよいので、導入時の迷いも減らせます。
ChatGPT TeamやEnterpriseプランでは、組織で利用するための管理機能も用意されています。一方、無料プランやPlusの個人アカウントで使う段階では、共通テンプレートを配り、各自で設定する方法が現実的です。
まとめ
Custom Instructionsは、ChatGPTに毎回伝えている前提を保存しておける機能です。
画面には「カスタム指示」「あなたについて」「特性」の3つのエリアがありますが、最初からすべてを細かく設定する必要はありません。まずは、普段よく書いている一文を「カスタム指示」に移すだけでも十分です。
たとえば、「敬語で答えてください」「専門用語はできるだけ避けてください」「結論を先に書いてください」といった短い指示から始めると、効果を感じやすくなります。
ただし、設定を整えても、ChatGPTの回答をそのまま使えるとは限りません。最後の確認や調整は、自分の目で行うことが大切です。ChatGPTは下書きを早く出してくれる相手、仕上げは自分で行うもの、と考えると使いやすくなります。
まずは設定画面を開き、毎回入力している前提を1つだけ移してみてください。
Q&A
Q. Custom Instructionsを設定すると、過去の会話にも反映されますか?
反映されるのは、設定後の新しい会話からです。過去の会話にさかのぼって適用されるわけではありません。設定を変えたあとは、新しいチャットを開いて試すと、違いを確認しやすくなります。
Q. ChatGPTのMemory機能とCustom Instructionsはどう違いますか?
Custom Instructionsは、自分で明示的に書いて保存する場所です。一方、Memory機能は、会話の中で出てきた情報をChatGPTが覚えておく仕組みです。
大きく分けると、Custom Instructionsは「常に守ってほしいルール」、Memoryは「会話の中で共有した情報」と考えると分かりやすくなります。
Q. 会社の機密情報をCustom Instructionsに書いても大丈夫ですか?
業務上の役割や文体の好み程度であれば使いやすくなります。ただし、社外秘の数字、顧客リスト、未公開の取引内容などは書かない方が安全です。
Custom Instructionsには、ChatGPTに常に参照してほしい情報を書くため、必要以上に細かい社内情報を入れる必要はありません。会社で使う場合は、何を書いてよいか、どこからは書かないかを社内ルールとして決めておくと安心です。詳しくは中小企業のためのAIセキュリティ完全ガイドも参考になります。